こんにちは!
The GATE鈴木です。
本日ご紹介したいのは、浜名湖北部に位置する
「湖北五山」。
この湖北五山とは、浜松市北区にある以下5つのお寺の総称です。
・宝林寺(細江町中川)
・龍潭寺(引佐町井伊谷)
・方広寺(引佐町奥山)
・摩訶耶寺(三ケ日町摩訶耶)
・大福寺(三ケ日町福長)
古くは平安時代から江戸時代初期までに開創された、
時代も宗派も異なるお寺ですが、それぞれに国指定重要文化財を有しており、
浜松の歴史をより深く知ることができる、非常に価値のあるお寺たちなんです。
当館にはこの湖北五山巡りのチラシを置いてあり、
長らくこのチラシを眺めながら、いつか行ってみたいなあと思っておりましたが、
先日やっとのことで取材・見学をすることができましたので、
今回は気合をいれてじっくりとご案内してまいります!
いつになく長編になる見込みですが、どうぞお付き合いいただければ幸いです。
さて、ルートは以下の写真の順番通り「宝→龍→方→摩→大」がベストとの事。
理由は大きく2つ。
まず一つ目は、一番東側の①宝林寺がこの五山の中で最も新しく、
時代を遡るように、他のお寺を一筆書きに回ることができるからなんです。
そして、もう一つの理由はコチラ。
この色紙、五山それぞれの御朱印を集められる色紙になっていて、
各お寺のご利益を受けることができるんですが、この色紙を販売しているのは、この宝林寺さんのみ。
1枚2,000円で購入し、他の四山では300円の御朱印代を支払って集めることができます。
せっかくなので私も一枚購入しましたよ~!!
ちなみに、この湖北五山のルート、一日で周る事もできますが、
少し駆け足になるかもしれません。
今回訪れたのは摩訶耶寺さんを抜いた四つのお寺でしたが
(摩訶耶寺さんはお盆の出張で臨時休でした)、
どのお寺もとても見応えがあり、うっとり過ごしていると意外と時間を使っておりました。
しっかり見たい方は二日に分けてのんびり回るのも良いかと思います。
その際は「宝林寺・龍潭寺・方広寺」と、「摩訶耶寺、大福寺」がおススメです。
というのも、方広寺から摩訶耶寺・大福寺のある三ケ日方面に抜ける際は
大型車通行不可の細い山道を車で20分ほど走ることになるため、
初めての方や運転が不安な方は少しだけ大変かなと…。
私も初めて通りましたが、対向車が来た時は軽同士でもバックで譲りながら進む感じでした。
さて、それではここから、一つ目のお寺「初山宝林寺」について、ご紹介していきます。
どうぞごゆるりとご鑑賞くださいませ。
金運上昇・商売繁盛のお寺
①初山宝林寺(しょさんほうりんじ)
初山宝林寺は、日本三禅宗のうちの一つ黄檗宗の寺院です。
1664年(寛文4年)に、黄檗宗の開祖である隠元禅師(いんげんぜんし)により明国から来朝した独湛性瑩(どくたんしょうけい)禅師が、
地元の金指・気賀の近藤両家の菩提寺として開創しました。
近藤家は今川氏に仕えた旗本のようです。
このお寺の見どころ・特徴としては、以下の三つです。
①珍しい中国・明朝建築様式を模した
佛殿、方丈(国指定重要文化財)
②総勢29体の
仏像(県指定文化財)
③叩くと澄んだ音がなる、金運上昇・商売時繁盛のご利益があると伝わる
金鳴石(きんめいせき)
まずはこちらの山門から。
力強い「初山」の字がとても印象的ですね。
この急な階段を上がると目前に迫るのが、この佛殿。
とても大きく立派ながらその佇まいは優しく、背景と相まって非常にゆったりと、おおらかな印象を受ける建物です。
中国明朝の建築様式が採用されているとの事ですが、この建物中央にある装飾的な格子に、その雰囲気を見ることができました。
また、この佛殿の中には宝林寺の見どころの一つである全29体の仏像が置かれています。
正面にあるのは本尊釈迦三尊像。
そして、建物の両側の壁に立ち並んでいるのは、こちらの二十四善神立像。
全ての像の足元にその神様の名前が書かれており、それぞれの特徴的を捉えたお姿が見られます。
この立像の素晴らしいのは、高いところに設置されているため、ちょうど見下ろす神様と見上げる私達の目が合うようになっている所。
まるで語り掛けてくるような臨場感のある表情にドキッとさせられます。
写真中央は競走・競泳などスピードの神、韋駄尊天様です。2019年は大変お世話になりました!
さて、佛殿を後にして、裏手に回ると、方丈や報恩堂など、他の文化財も見ることができます。
方丈は現在かやぶき屋根を修繕中で、12月31日に竣工予定との事です。
ちなみに近年では平成28年に山門が、平成29~31年に仏殿が修復されたとの事です。
そしてそして、その裏手にある、特に注目のスポットがこちら!
その名も「金鳴石(きんめいせき)」です。
平たく滑らかな表面の大きな石ですが、この石、叩くと「キーン」とした高く澄んだ音がするのです。
この摩訶不思議な石は、「金(かね)のなる」ということから、金運上昇・商売繁盛のご利益があると伝えられています。
この金運上昇のご利益は、
毎年浜松近郊の宝くじ売り場の人もご祈祷に訪れるほどの効果だそうですよ。
その金鳴石は、売店で売っているこのお守りの石で叩くとより一層の効果があるとか。
ぜひ試してみて下さいね!
そして最後に、この湖北五山のお寺には全て象徴的な古木・ご神木があり、
この宝林寺には樹齢350年といわれる立派な「猿候杉(えんこうすぎ)」があります。
独湛禅師が植えられたこの杉は主に茶花に用いられるもので、このように20m級の高さまで成長するのはとても珍しく浜松市の天然記念物に指定されているそうです。
あまりに大きくて、とても写真に収まりませんでした…。
また、寄り添うように2本の木が並んでいることから、夫婦杉としても親しまれています。
宝林寺は、駐車場に着いた時から背筋がすっと伸びるような清らかでゆったりとした空気が流れており、敷地内に足を踏み入れるとなんだかタイムトリップしたような不思議な気持ちになりました。
私自身ずっと訪れてみたいと思いながら初めての訪問でしたが、浜松でまずお勧めしたい名所の一つになりました。
まだまだ気軽に遠出しづらい状況ですが、浜松にお住いの方、ぜひ今一度地元の観光名所に足を運んでみてはいかがでしょうか。
初山宝林寺
静岡県浜松市北区細江町中川65-2
TEL:053-542-1473
拝観時間:10:00-16:00
入場料:大人400円、中高生200円、小学生無料
駐車場:あり
https://www.oubaku.org/shosan/butuden.html
さて、湖北五山の旅、まだまだ続きますので、またまとめ次第UPしていきます!
ぜひご期待ください♪