こんにちは♪
The GATE鈴木です。
前回に続きご案内してまいります
湖北五山の旅、今回は
龍潭寺についてまとめましたので、ぜひお付き合いください。
歴史と花・緑の古刹 井伊直虎ゆかりの寺
龍潭寺
井伊家の菩提寺として有名な龍潭寺は、臨済宗妙心寺派のお寺で、奈良時代の僧、
行基(ぎょうぎ)菩薩が733年(天平5年)に開創されました。元々この地は「井の国」と呼ばれた土地で、井伊氏の元祖である
井伊共保(ともやす)公は1010年、この龍潭寺の正面にある井戸の傍らで出生したと伝えられています。
井伊家は鎌倉時代は源頼朝に仕え、南北朝時代には宗良(むねよし)親王(後醍醐天皇の皇子)を井伊城に迎え北朝軍と戦った名門です。その後も、
井伊直虎、
井伊直政、そして
井伊大老直弼と、歴史の担い手として名を馳せた重要人物を次々と輩出しています。
「龍潭寺」という名前がつけられたのは開創から800年も後の事で、1560年に今川氏に仕え
桶狭間の戦いで戦死した井伊家
22代直盛(直虎の父)の戒名を取り、名づけられたそうです。
概略はこのような感じです。
それでは早速、訪問の様子をご覧いただきましょう!
この時期の龍潭寺さんはとにかく緑の美しさが際立っておりましたので、そちらにクローズアップしてお届けしていきます。
まずは大門(山門)から。濃い緑と相まって、趣深い風格です。
大門を抜けると、細いアプローチを通り、さらに奥へ進んでいきます。途中、白いお花が落ちていてとても可憐でした。
さらに歩みを進めると、次に目に入るのは綺麗な蓮の花。なんだか現実世界から離脱したような美しさです…。
拝観は、こちらの立派な庫裡(くり)にある受付を通ります。
本堂に入るとまず目に入るのがこの大きな仏像、「丈六(じょうろく)の釈迦牟尼佛(しゃかむにぶつ)」。
遠州地方一の大きさとの事で、丈六とは仏像の背丈の一基準で、立像での高さが4.85m程の規模だそうですが、この仏像はお坐りのため、3m程の高さとなっています。それでも十分な迫力を感じます。
また、頬や胸を中心に黒い汚れがあるのは、明治初年に起こった
廃仏毀釈(仏教を敗訴し、お寺や仏像などを壊す)の動乱の傷跡です。元々本堂の前にあった大仏殿を取り壊した際、近所の子供たちがこの仏さまに登り、金箔をこすった痛々しいお姿がそのまま残されているんです。
ちょうどみぞおちの辺りに「丈」の字が読み取れると思いますが、いたるところに「丈六」の落書きがされていました。そんな、廃仏棄釈の生き証人といえる仏さまです。
また、この本堂で特に有名なのはこのうぐいす張りの廊下。静かに歩こうとするとキュッキュッと音がなり、忍びを知らせるしかけとなっています。
龍潭寺には、井伊家にまつわる物や井伊家の人物の座像などもたくさん置かれています。これもその一つで、井伊家で使用されていたお籠になります。現物を見るとけっこう小さくて、これに乗って長時間移動するのはとても大変そうです…。
さて、龍潭寺といえば、冒頭の写真にある本堂裏の庭園ですね。これは江戸時代初期に
小堀遠州によって造られた池泉鑑賞式庭園です。小堀遠州は、豊臣秀吉や徳川家康らに仕えた大名でありながら、茶人、建築家、作庭家、書家としても活躍した文化人でもありました。井伊家
25代直孝と親しく、その依頼によって龍潭寺の庭園が造られたと言われています。
本堂から見る景色も美しいですが、今回おすすめしていただいたのは庫裡にある書院(殿様着座の間)からの眺め。庫裡の廊下をまっすぐ進んでいきます。
一番奥まで進んで、左側を見ると、このような景色が。奥には井伊家40代にわたるお位碑を祀る御霊屋が見え、当時の殿様が見ていた眺めと同じお庭の様子を見ることができます。
この日は梅雨の時期で生き生きとした緑の美しさが際立っておりましたが、このお庭は季節や時間帯によって表情を変えていき、いつ訪れてもその時の見頃を楽しむことができます。
本堂、庫裡を後にして、裏にある井伊家の墓所へもお参り。元祖共保から22代直盛、次郎法師直虎、23代直親、24代直政と、井伊家の歴代当主たちが一同に眠っておられました。
最後に、こちらはご神木「梛(なぎ)の木」。24代直政公の無事成長を願って植えられたと伝わっており、隣には子育て地蔵が祀られています。生命力溢れる大木でした。
龍潭寺編、以上となります。
龍潭寺さんは何度か訪れていましたが、今回改めてその歴史の奥深さを学ぶことができました。
井伊家の歴史が、この山里の美しいお寺で眠っているという事がとてもロマンを感じさせます。
今回ご紹介した他にもまだまだ沢山見所がありますので、ぜひ実際に訪れてご覧いただければ幸いです!
龍潭寺
静岡県浜松市北区引佐町井伊谷1989
TEL:053-542-0480
拝観時間:9:00-16:30(17:00閉門)
入場料:大人(高校生以上)500円、小人(小中学生)200円
駐車場:あり
http://www.ryotanji.com/
今回も長々とお付き合いいただき、ありがとうございました♪
次回は方広寺さんを紹介していきますので、ぜひお楽しみに!